コード進行

音階の仕組み

先に述べました、「長音階と短音階~メジャースケールとマイナースケール~」の項でお伝えした通り、音階には決まったパターンがあります。

それを踏まえて、もう少し「音階」というものを詳しく見ていきたいと思います。

「音名」と「階名」

音階を作る音のことを「音名」「階名」と呼ばれることがあります。この2つには、どのような違いがあるのか?

簡単に言うと、「音名」は、絶対的な音の高さを表し、ドはド、レはレ、ソはソと言うように、いかなる場合も音の名前が変わりません

逆に、「階名」は、相対的な音の高さを表し、ドを置き換えることが可能であり、基準音が変わることで読み方が変わってくる場合があります

例えば、ソを基準音とした場合の音階は、ソラシドレミファソになりますが、このソをドに置き換えて、ドレミファソラシドと読むものが、「階名」です。

そして、「音名」に関しては、「長音階と短音階~メジャースケールとマイナースケール~」の項でお伝えした音名一覧を参考にしてもらえばわかるように、イタリア音名、ドイツ音名、和音名、英音名があるので、覚えておくと便利でしょう。

ダイアトニックスケールとは

音階の仕組みを知るうえで、基本中の基本になってくるのが、「ダイアトニックスケール」というものです。

「ダイアトニックスケール」とは、「全音階」のことを言います。12種類の音から構成されています。要は、全部の音が使われています。

「全音階」とは、音名で言うとC、C♯(D♭)、D、D♯(E♭)、E、F、F♯(G♭)、G、G♯(A♭)、A、B♭(A♯)、B 【ド、ド♯(レ♭)、レ、レ♯(ミ♭)、ミ、ファ、ファ♯(ソ♭)、ソ、ソ♯(ラ♭)、ラ、シ♭(ラ♯)、シ】から成り立ちます。

音名で並べると前述の通りになりますが、階名での話になったり、調がハ長調ではない場合だったりすると、相対的な並び方として言い換えることも可能ですが、12種類の音であるということは変わりません。

全音階は、半音ずつ音が上がっていく音階とも遜色ありません。ですので、「半音階」と呼ばれることもあります。

「長音階」と「短音階」

「長音階(メジャースケール)」とは、長調の音階で主音から、2度ずつ、長・長・短・長・長・長・短(全・全・半・全・全・全・半)の順に積み重ねられたものが長音階です。

「短音階(マイナースケール)」とは、短調の音階で主音から、2度ずつ、長・短・長・長・短・長・長(全・半・全・全・半・全・全)の順に積み重ねられたものが短音階です。

ここまでは、先の項で述べました決まったパターンです。

「長音階」に関しましては、この1パターンで完結なのですが、「短音階」に関しましては、さらに細かく分類され3種類のパターンがあります

「短音階」は、「自然的短音階(ナチュラル・マイナー)」と「和声的短音階(ハーモニック・マイナー)」と「旋律的短音階(メロディック・マイナー)」の3種類に分けられます。1つずつ特徴をみていくことにします。

自然短音階(ナチュラル・マイナー)

自然短音階とは、全音階の短音階で、基本的な短音階です。短音階の決まったパターンとして紹介した通りの、「長・短・長・長・短・長・長」の順番で構成されている短音階です。

そのまま音階を作り上げているだけのもので、上行形も下行形も順番は変わらず、和声的要素やメロディーを作る要素が含まれていません。

自然に積み上げられた音階なので、自然短音階と呼ばれます。

和声短音階(ハーモニック・マイナー)

和声短音階は、自然短音階の第7音を半音上げた音階です。第7音を半音上げるので、根音から順番に「長・短・長・長・短・増・短」になります。

自然短音階の場合、第7音から主音に上行する2度が、長2度(全音)になっているため、実際に聞いてみると違和感を感じると思います。

その違和感の原因として考えられるのが、第7音から主音に上行するときは、長2度(全音)ではなく、短2度(半音)のほうが良いとされる概念があるからです。

基本的に曲というものは、最後はその曲の調の主音で終わります。主音で終わるために重要になってくるのが、第7音である「導音」です。

第7音は「導音」と呼ばれ、読んで字のごとく、主音へと導くためのきっかけになるという役割を持つ音です。第7音が半音でないと、主音には進みにくいのです。

半音になることで、第7音の響きが不安定な響きとなり、最後の主音に向かいやすくなり、最後の主音で終わることで、その不安定な響きがまとまって解決する仕組みになっています。これが終止形の基本です。

第7音を半音上行させるために、♯、ダブル♯、♮などが使われます。特に和音の時にこの形の短音階を使います。

旋律(メロディー)としては、違和感が発生します。和音で使用することが主なので、和声短音階と呼ばれます。

旋律短音階(メロディック・ハーモニー)

旋律短音階は、自然短音階の第6音と第7音を半音上げた音階です。ただし、これは上行形の場合です。下行形の場合は自然短音階になります。

ですので、上行形で半音上げた第6音と第7音は、元に戻ります。

上行形の場合は、第6音と第7音を半音上げるので、根音から順に「長・短・長・長・長・長・短」になります。

和声短音階の所で述べたように、自然短音階のままでは導音から主音への移行が半音になっておらず、違和感が残ります。

それを解決するために、和声短音階では第7音を半音あげ、導音としての役割を果たせるようになったのですが、第7音を半音上げたことで増2度が発生し、旋律(メロディー)として扱うには不都合が発生してくることになります。

和声(和音)として扱うには、第7音を半音上げるだけで導音として主音に向かうことができ、和音進行がスムーズになり、響きもよくなり、違和感の解決ができましたが、旋律(メロディー)として扱うには、増2度が入ってくることで音階のバランスが崩れ、均衡のとれたものではなくなってしまうのです。

あえて、そのような音階を用いるような音楽もありますが、(例えば、琉球音楽やアラビア音楽、それぞれの国の音楽や民謡など。)一般的で多角的な音楽は、増2度が入ったままだと作りにくくなってしまいます。

それを解決し、違和感を解消するために、第6音と第7音を半音上げた音階が生み出されたのです。旋律(メロディー)で使用されることが主なので、旋律短音階と呼ばれます。

そして、旋律「メロディー」が下行しているときには、♮を用いて、第6音と第7音を半音下げて元に戻しているので、着目してみてください。

このように、短音階は「自然短音階」、「和声短音階」、「旋律短音階」と3種類に分類されます。短調の曲を弾いてみるような機会があれば、調性を判断できるようになったうえで、どの短音階を用いているのか調べてみるのも面白いかもしれません

短音階の3つの特徴を覚え、第6音と第7音に着目し、調性判断を行えると、割とスムーズに楽譜に入れるようになるかと思います。

さいごに

このように一口に「音階」と言ってみても、いろいろな種類がり、使い分けをしなくてはならない場合もあります。少しのコツを覚えられると、スムーズに曲運びができたり、弾けないところをカバーしたりできるようになります。一気に全部は無理でも、少しずつ覚えられると、もっと楽譜を読んで紐解いていくきっかけになると思います。

頑張って覚え、様々な曲に使ったり、楽譜が読みやすくなると良いですね。