初心者向け

楽譜を読むときに、どこを見ながら弾くべきか

ピアノ初心者の場合、楽譜を見るよりも鍵盤(手元)を見るほうに集中してしまいがちです。

しかし、一般的に楽譜を見るべきとされているため、楽譜を見るよう指導されることが多いと思います。手元ばかり見てしまうのは「鍵盤を見ないと音の位置がわからない」ためでしょう。たしかに、ミスタッチをするよりも鍵盤に集中したほうが良いようにも思えます。

では、ピアノ初心者にとって楽譜を読む際はどこを見ながら弾くのが正解なのでしょうか?

楽譜を見て!と指導されるのはなぜ?

ピアノのレッスンで先生に「手元ばかり見てはだめ!」と言われたことはないでしょうか?また、独学で練習している人も楽譜を追って弾くのが難しく、手元を見ながら弾いている人も多いと思います。

先にも触れたようにピアノ初心者の場合、鍵盤(手元)を目視して音の位置を把握することが多いと思います。「音を間違えないようしているのに、なぜ手元を見てはいけないの?」と思うかもしれませんね。それにはさまざまな理由があります。

楽譜を見る理由1:どこを弾いているか把握するため

鍵盤(手元)に集中するということは楽譜を見ていないため、レッスンで「さっきのここが間違っていたよ」と言われても、「どの部分だっけ?」とメロディーをたどり直すことになってしまうでしょう。

また、独学の場合では「つまづきやすい音があるな」「この音あんまり覚えてないな」という部分があると思います。そんなときに楽譜を見ていないとその部分を確認することになってしまいますよね。

しかし、楽譜を追って弾いていれば、「ここ」という場所が目視で確認でき、「この音か」ということが即座にはっきりとわかります。このようにレッスン(練習)する上で、どこを弾いているかの把握が手早くできるという点で、楽譜を見て弾くのが効率的です。

楽譜を見る理由2:正しい音を把握するため

正しい音(楽譜に書かれている音)を把握し、その通りに弾くためには楽譜を見て弾くことは必須。

楽譜には弾くべき音が書かれていますし、特にクラシック曲の場合、強弱や細かなニュアンスなども明記されていることも多いですよね。

楽譜を元に演奏する場合、演奏者は楽譜を把握した上で音を奏でるもの。しかし、鍵盤(手元)ばかり見ていると肝心の楽譜の内容が曖昧になってしまい、間違いも発生しやすくなります。一度間違って覚えた音で弾き続けると指のクセもついてしまい、修正が難しくなるというデメリットもあります。

楽譜を見ながら弾けば音がちがうことにすぐ気づけるため、手元ばかりを見ないよう指導されるのです。

楽譜を見る理由3:楽譜を読めるようになるため

もしかすると、手元だけ見て弾ける人は暗譜力があるのかもしれません。またはいわゆる耳コピをして弾けるという人もいます。

前者の場合は一度楽譜を読んでいますので問題ありませんが、後者の場合は楽譜を読まずに聞いて覚えているため、楽譜を読む力は上がりません。

「正しく弾ければ楽譜が読めなくても問題ないのでは?」と考える人もいると思います。たしかに音を正確に楽譜通りに弾ければ良いでしょう。しかし、よほどの天才でなければ耳コピにも限界があり、特定の曲だけを弾くスキルしか身につきません。

さまざまな曲にチャレンジしたいなら、楽譜を読む力をつけるほうが良いでしょう。

暗譜ができれば楽譜は見なくて良い?

楽譜を頭に入れ、練習を積んでいるなら楽譜を見ずに演奏してもOKです。

ピアノのレッスンでも、「最終的には暗譜を」と指導されることがあるでしょう。どうせ暗譜するのだから、最初から楽譜を見ないで弾く練習をしたほうが効率的に思えますよね。

しかし、音をしっかりと覚えていないうちから楽譜を放棄するのは間違い。特にクラシック音楽の場合は楽譜に忠実に演奏することが重要と言われています。

そのため、耳で覚えた曖昧な記憶だけで楽譜を放棄してしまうと、間違った演奏になることが多いです。

もちろん、楽譜をしっかりと頭に入れた上での暗譜練習では楽譜を見ないことが必要となりますが、練習が十分でないうちから楽譜を見ないのは、楽譜に忠実に演奏するための良い方法とは言えません。

楽譜にはさまざまな情報が書かれているため、読み取る力を高めればさまざまな曲が演奏できるようになりますよ。

鍵盤の位置を覚えよう!

ここまでの説明で楽譜を見るほうが良いことがわかったと思います。しかし、初めから鍵盤や手元から目を離すのは難しいという場合がほとんど。

楽譜を見ながら演奏することに慣れるためには、パソコンのタッチタイピングのような練習が必要です。

どのような練習をすれば良いかは以下をぜひ参考にしてみてください。

鍵盤の位置を覚える方法1:鍵盤の形を把握する

ピアノ鍵盤は白鍵、黒鍵があり、並び方に規則性を持っています。黒鍵が2つ並んだ左側の白鍵が「ド」ですね。

では、鍵盤を見ないで思い浮かべた音を弾いてみてください。この練習は黒鍵を触って確かめ、弾きたい音に手を持っていくこと。

どの鍵盤でなんの音が出るかではなく、出したい音(楽譜の音)がどの鍵盤かが理解でき、鍵盤を見ずに手を持っていけるようになることが大切です。

鍵盤の位置を覚える方法2:教本を使って練習する

ピアノ教本はさまざまなタイプがありますが、鍵盤の位置を覚えるには指の動きに重点を置いた教本がおすすめ。

例えば初心者におすすめの「スーパーフィンガーズ」、初級者から上級者まで使える「ハノン」なども良いでしょう。

鍵盤の並びやどのくらいの位置にどの音があるのかを体に覚えさせる良い練習になりますよ。

鍵盤の位置を覚える方法3:曲の途中から弾く練習をする

いつも曲の頭から、もしくは特定のフレーズが始まるところから弾き始める人は多いですよね。

しかし、このような決まったところから始めるのではなく、中途半端な位置から弾き始める練習もおすすめです。普段とは異なるメロディから演奏することになるため、自然と楽譜に集中し、どの音がどの鍵盤なのかを指で追うようになります。

鍵盤(手元)を全く見ないのは難しい

盲目の演奏家として知られ、国際コンクールで優勝を飾った辻井伸行さんや、目隠しをして演奏したという伝説のあるモーツァルトなどの奇才な演奏家もいますが、それはごく一部。一般的にある程度の範囲は鍵盤を見ずに弾けますが、何オクターブも離れた音を正確に弾くことは難しいです。

では、どうしたら間違えないようにけるのでしょうか?

それは鍵盤はちらっと見るにとどめること。一瞬の判断で手を持っていく位置を把握し、すぐに視線を楽譜に戻すのが良いでしょう。

難しい作業に思えますが、慣れてくれば簡単です。先にも紹介した鍵盤の位置を覚える方法での訓練を積むほか、さまざまな曲にチャレンジしていく中で自然に身につく人も多いですよ。

楽譜をメインに見るのがベター

「楽譜を読むときに、どこを見ながら弾けばよいか?」に対する答えは、「楽譜をメインに見て鍵盤や手元は位置の把握程度に一瞬見る」のが良いでしょう。

絶対に正しいとは言い切れませんが、楽譜を元に演奏するならばこのような方法がベターです。鍵盤の位置を頭に入れれば難しくはありませんので、さまざまな曲の演奏や練習を積んで慣れましょう。